足関節の解剖学-靭帯編
まずは足関節の解剖から始めていきましょう
最初は靭帯です
これは足関節内反捻挫による損傷が多いため、把握しておきたい靭帯です
外側靭帯について
足関節には靭帯がたくさんありますが、最低限覚えておきたい靭帯は
前距腓靭帯
後距腓靭帯
踵腓靭帯
の3つからなる外側靭帯ですね
それ以外にも三角靭帯とかもありますが、あまり担当したことないです
アスリハとかやっていると多いのかもしれません
前距腓靭帯について
前距腓靭帯は腓骨前端から距骨外側に停止でした
距骨外側も距骨頚ですね
前距腓靭帯の機能としては、以下のことが報告されています
前距腓靭帯の主な機能は足関節底屈・内反制動である。 (The anatomy in relation to injury of the lateral collateral ligaments of the ankle: A current concepts review)
腓骨前端から距骨頚に停止しているため、底屈位で前距腓靭帯のテンションがかかり、
かつ、前距腓靭帯は外側部に付着しているので、内反でもテンションがかかるので、
両方の動きを制動することになります
内反捻挫では前距腓靭帯損傷を生じることがありますが、
前距腓靭帯損傷と距骨アライメントについては以下のことが報告されています
前距腓靭帯の損傷は距骨下の内旋を増加させる。 (In vivo kinematics of the talocrural and subtalar joints with functional ankle instability during weight-bearing ankle internal rotation: a pilot study.)
距骨下(距骨)の内旋が増加することで、内側のアーチは低下していきますので、
後脛骨筋や長母趾屈筋などのエクササイズを進める必要があるかもしれません
後距腓靭帯について
後距腓靭帯の起始は外果窩から距骨後突起の外側結節に停止です
後距腓靭帯は背屈位でテンションがかかるため、
足関節背屈制動が主な機能です
足関節背屈では、距骨が後方に滑っていくため、
このときに後距腓靭帯のテンションが高まることになります
踵腓靭帯について
最後が踵腓靭帯についてです
踵腓靭帯は外果下縁から起始し、踵骨外側面に停止でした
走行から考えると、踵腓靭帯は足関節内反制動の役割ですね
基本的にはこの3つの靭帯は外側靭帯なので、外反トレーニングが主となるかと思います
実際にはどの筋群を治療対象にするかは評価していきましょう
アーチに関与する解剖学
靭帯の次はアーチに関与する解剖学です
アーチは三種類ありました
内側縦アーチ
外側縦アーチ
横アーチ
それぞれ確認していきましょう
足関節内側縦アーチ
内側縦アーチは、
踵骨
距骨
舟状骨
内側楔状骨
から構成されています
内側縦アーチで最も高いのが舟状骨になります
なので、舟状骨に比べて踵骨載距突起がどの位置にあるか?
で縦アーチを評価したりします
また、舟状骨を高い位置に保持するためには後脛骨筋の機能が重要になってきます
簡単に評価できるのは、heel raise testがあります
heel raise時に後足部の内返しをしているのかどうか?を見ていきます
足関節外側縦アーチ
外側縦アーチは、
踵骨
立方骨
第5中足骨
から構成されています
外側縦アーチに関与する筋群は、
長腓骨筋
短腓骨筋
短趾屈筋
小趾外転筋
短小趾屈筋
小趾対立筋
ですね
外側縦アーチが乱れることによって、腓骨筋の機能不全が生じてきます
また、小指外転筋の機能不全も多いですよね
足部内在筋、外在筋はそれぞれ考えていかないといけない部分です
足関節横アーチ
最後のアーチは横アーチです
横アーチは、中足骨レベルと楔状骨レベルがあります
第一中足骨頭~第五中足骨頭(中足骨レベル)
内側楔状骨(楔状骨レベル)
中間楔状骨
外側楔状骨
立方骨
で構成されています
アーチを評価していくには、
The foot posture index
arch height index
などがあります
ググれば出てきますので、ぜひ活用してみてください
足関節の解剖-インピンジメント編
次は足関節のインピンジメントについてです
足関節前方インピンジメント
単純に言うと、足関節背屈をしたときに前方に痛みを生じる場合、
インピンジメントの可能性がありますよ、っていうのが、
前方インピンジメント症候群になりますね
前方インピンジメントには2種類あり、
骨性の足関節前方インピンジメント症候群
軟部組織の足関節前方インピンジメント症候群
骨性or軟部組織性のインピンジメントに分類されます
インピンジメントの原因
前方インピンジメントの原因の多くは、足関節背屈制限によって生じる不安定性からだと考えています
基本的に足関節背屈位では、距骨が脛骨にはまり込むので安定していますが、
足関節背屈制限により、はまり込みが生じないと
不安定性⇒異常な関節運動
ということが考えられます
後方インピンジメント
後方インピンジメントは踵骨や距骨が衝突したり、軟部組織の挟み込み、余剰骨などによって生じます
これも距骨の副運動の影響があるかと思います
副運動の評価も併せて行っていきましょう
足関節の解剖学と機能について、おしまい
足関節の解剖学と機能について解説をしました
今回は重要な靭帯3つ、アーチについて、インピンジメントに関して
を解説しました
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